チャージバックとは?仕組み・加盟店の負担・対策
チャージバックとは、カードの名義人がカード発行会社に請求の取り消しや返金を求め、認められたときに起きる返金です[1]。返金額を支払うのは、原則としてお店(加盟店)です[1]。ただし、3D セキュアで本人認証に成功した決済などでは、カード発行会社の負担に移ることがあります[3]。ステーブルコイン決済には、カードのような一方的な取り消しの仕組みはありませんが、返金のトラブルがなくなるわけではありません。
チャージバックの仕組み
チャージバックは、購入者の申し立てから始まります。流れは次のとおりです[1]。
- 購入者(カードの名義人)が、カード発行会社に、請求の取り消しや返金を求めます。
- カード発行会社が申し立てを受け入れると、お店に、支払いの取り消しや返金を求めます。
- お店は、これを受け入れるか、反証(取引が正しいと示すこと)をするかを選びます。
売上が入金される前にも、入金されたあとにも起きることがあります[1]。
加盟店が負うもの
返金額は、原則として加盟店が負担すると説明されています[1]。ただし、誰が負担するかは、決済の認証のしかたや契約で変わります。
- 3D セキュアで認証した決済。本人認証に成功した決済が、あとで不正利用として申し立てられた場合、負担は通常、お店からカード発行会社に移ります(ライアビリティシフト)。すべての決済や申し立てで移るとは限りません[3]。
- 補償や保険。チャージバックの補償や保険は、EC モール、決済代行会社、保険会社などが用意している場合があり、補償の範囲や条件は提供元で違います。補償も保険もなければ、損失はお店が負うことになりやすいとされています[1]。
売上を返すことになるうえ、送った商品も戻ってこないことがあると説明されています[1]。手数料の扱いなどは、利用中の決済サービスの規約で確かめてください。
チャージバックが起きやすい場面
申し立ての理由として、次のような例が挙げられています[1]。
- 商品が届かない。
- 決済の覚えがない。
- 注文と大きく違う商品が届いた。
- 不正利用による、身に覚えのない請求。
不正利用の原因には、フィッシング詐欺やウイルスによるカード情報の盗み取り、カードの紛失や盗難があります。デジタルコンテンツ、家電、電子マネー、チケットなど、現金に換えやすい商品は狙われやすいとされています[1]。
チャージバックの対策
よく挙げられる対策は次のとおりです[1]。
- 3D セキュア。決済のときに、ワンタイムパスワードなどで追加の本人認証をします。2024年3月に改訂された「クレジットカード・セキュリティガイドライン」(割賦販売法のセキュリティ対策義務の実務上の指針)は、2025年3月末までに、原則すべての EC 加盟店に EMV 3-D セキュアを導入することを求めました[2]。
- セキュリティコードの入力。カードの裏面などにある番号の入力を必須にします。
- 不正検知システム。注文の内容から、不正の疑いがある注文を見つけます。
- 常時 SSL 化と PCI DSS。通信を暗号化し、カード情報の取り扱いの基準に沿った決済サービスを選びます。
- 怪しい注文への注意。金額が極端に高い、急ぎの配送を求める、同じ配送先に何度も注文が入る、といった注文は、配送の前に確かめます。
- チャージバック保険。月額数千円から入れるものがあります。補償の範囲や条件は提供元で違います。
異議申し立て(反証)の一般的な流れ
お店は、チャージバックを受け入れず、反証を選べます[1]。
- カード発行会社から、申し立ての通知を受けます。
- 「受け入れる」ではなく「反証する」を選びます。
- 名義人が承認した取引だと示す資料を出します。
- カード発行会社が、資料をもとに最終的に判断します。
反証が認められないこともあります[1]。反証できる期間は、決済サービスごとに違います。利用中のサービスの規約を確かめましょう。
ステーブルコイン決済の場合
ステーブルコイン決済には、カードのチャージバックのように、購入者の申し立てで売上を一方的に取り消す仕組みはありません。ブロックチェーン上の送金は、確定すると取り消せないためです。仕組みの全体は、ステーブルコイン決済とはで説明しています。
ただし、返品や返金のトラブルがなくなるわけではありません。商品が届かない、注文と違う、といった不満は、カード以外の決済でも起きます。ステーブルコイン決済では、返金は、お店から購入者へ送り返す形になります。返金の条件を決めて、購入者に先に案内しておきましょう。
すてぶるペイの場合
すてぶるペイは、円で払い、ステーブルコイン(JPYC)で受け取る決済です。開発中で、提供開始日は未定です(2026年11月時点)。手数料は検討中で、全加盟店一律の固定料率を予定しています。購入者への上乗せはありません。
返金は、加盟店コンソールの「取引の詳細」画面から、加盟店の owner がパスキーで承認して行います。返金先は元の支払人のウォレットに決まっています。詳しくは、返金の提供範囲と返金の手順をご覧ください。利用には、利用規約への同意と、法令上の要件を満たすことが前提です。
よくある質問
チャージバックとは何ですか?
カードの名義人がカード発行会社に請求の取り消しや返金を求め、それが認められたときに起きる返金のことです。返金額を支払うのは、原則としてお店(加盟店)です。ただし、3D セキュアで本人認証に成功した決済などでは、カード発行会社の負担に移ることがあります。
チャージバックを防ぐにはどうすればよいですか?
3D セキュア(追加の本人認証)、セキュリティコードの入力、不正検知システム、常時 SSL 化、PCI DSS に準拠した決済サービスの利用などが挙げられます。怪しい注文は、配送の前に本人確認をする方法もあります。
チャージバックの申し立てに反論できますか?
できます。カード発行会社から通知を受けたお店は、受け入れるか、反証するかを選べます。反証では、名義人が承認した取引だと示す資料を出します。最後はカード発行会社が判断し、認められないこともあります。期限は決済サービスごとに違うため、規約で確かめてください。
ステーブルコイン決済にチャージバックはありますか?
カードのように、購入者の申し立てで売上を一方的に取り消す仕組みはありません。ブロックチェーン上の送金は、確定すると取り消せないためです。ただし、返品や返金のトラブルはなくなりません。返金は、お店から購入者へ送り返す形になります。
すてぶるペイでは返金できますか?
返金は、加盟店コンソールの「取引の詳細」画面から、加盟店の owner がパスキーで承認して行います。返金先は元の支払人のウォレットに決まっています。詳しくは加盟店向けドキュメントの「返金の提供範囲」をご覧ください。すてぶるペイは開発中で、提供開始日は未定です。
出典
いずれも 2026年11月5日に内容を確認しました。
- Square「チャージバックで売り上げをゼロにしないセキュリティー対策」(2025年2月4日付、2025年2月5日に一部更新)。2026年11月5日確認。
- 経済産業省「「クレジットカード・セキュリティガイドライン」が改訂されました」(2024年3月15日)。2026年11月5日確認。
- Stripe「3D セキュアを使用して認証する」(「不審請求の申請とライアビリティシフト」の節)。2026年11月5日確認。