ステーブルコイン決済の用語集
ステーブルコイン決済の用語集です。ステーブルコイン、電子決済手段、JPYC、ノンカストディアル、与信審査、チャージバック、Webhook など、決済の導入を調べるときによく出る 17 語を、一言の定義で説明します。日本の制度に関わる語は、出典を添えています。
この用語集の語
- ステーブルコイン
- 日本円ステーブルコイン
- 電子決済手段
- 電子決済手段等取引業者
- 資金移動業
- JPYC
- JPYC EX
- ブロックチェーン
- ウォレット
- ノンカストディアル
- パスキー
- 与信審査(加盟店審査)
- 決済代行
- チャージバック
- 消込
- Webhook
- Sandbox
ステーブルコイン
価格が安定するように作られたデジタルのお金です。多くは、日本円や米ドルなどの法定通貨と、1対1で価値が連動するように設計されています。取引の記録はブロックチェーンに残ります。詳しくはステーブルコイン決済とはで解説しています。
日本円ステーブルコイン
日本円と価値が連動するステーブルコインです。代表例は JPYC です[3]。銀行の動きもあります。みずほ銀行・三菱UFJ銀行・三井住友銀行の 3 行は、信託の形で日本円のステーブルコインを共同発行する実証実験を、2026年7月17日から23日に行ったと、2026年10月16日に発表しました[5]。
電子決済手段
資金決済法で定められた区分です。代金の支払いに使え、電子的に移せる財産的価値のうち、円やドルなどの通貨で表示されたり払い戻されたりする資産(通貨建資産)にあたるものなどが、これにあたります(資金決済法 第2条第5項・第7項)[6][1]。金融庁の資料では、法定通貨の価値と連動した価格で発行され、発行価格と同額で払い戻すことを約するステーブルコインがこれにあたり、アルゴリズムで価値の安定を試みるものなどは別に扱うと整理されています[9]。価格が連動しているだけで、この区分になるわけではありません。JPYC は、発行体の JPYC 株式会社が電子決済手段として発行しています[3]。法律上、ビットコインなどの暗号資産とは別の区分です(同 第2条第14項)[6]。発行するのは、銀行、資金移動業者、信託会社などです[2]。
電子決済手段等取引業者
電子決済手段の売買や、ほかの電子決済手段との交換、その媒介、他人のための管理などを業として行う事業者です(資金決済法 第2条第10項)。行うには、内閣総理大臣の登録が要ります(同 第62条の3)[6][1]。あるサービスがこの区分にあたるかどうかは、そのサービスで何を行うかによって変わります。
資金移動業
銀行など以外の事業者が、送金などの為替取引を業として行うことです(資金決済法 第2条第2項)。内閣総理大臣の登録を受けると、営めます(同 第37条)[6]。登録を受けた事業者を、資金移動業者といいます。資金移動業者は、電子決済手段を発行できます[1][2]。JPYC 株式会社は、2025年8月18日付で資金移動業者として登録されました(関東財務局長 第00099号)[3]。
JPYC
JPYC 株式会社が発行する、日本円ステーブルコインです。2025年10月27日に発行が始まりました[3]。JPYC 株式会社は、日本円と 1:1 で交換でき、発行残高の 100% 以上を預貯金と国債で保全するとしています[3]。累計発行額は、2026年9月18日時点で100億円を超えたと発表されています[4]。すてぶるペイは、この JPYC で売上を受け取る決済です。
JPYC EX
JPYC を発行し、日本円に払い戻す(償還する)ための、JPYC 株式会社の公式のサービスです[3]。本人確認は、マイナンバーカードを使う公的個人認証に一本化されています[3]。発行された JPYC は、利用者が登録したウォレットのアドレスに送られます[3]。お金の流れはお金の流れ(docs)にあります。
ブロックチェーン
取引の記録を、多くのコンピューターで共有し、あとから書き換えにくくした仕組みです。ステーブルコインの送金は、この上で行われます。記録が確定した送金は、取り消せません。
ウォレット
ステーブルコインなどを保管し、送るための入れ物です。残高そのものは、ブロックチェーンの上にあります。ウォレットを使う人が、送金を承認します。
ノンカストディアル
サービスの提供元が、利用者の資金や秘密鍵(送金を承認するための情報)を預からない設計のことです。すてぶるペイの提供元の暗号屋は、購入者やお店の資金・秘密鍵を預かりません。
パスキー
パスワードの代わりに、顔や指紋の認証で本人であることを確かめる仕組みです。すてぶるペイでは、購入者が支払いを承認するときと、お店がアカウントを開くときに使います。iCloud キーチェーンなどで同期しておくと、新しい端末でも使えます。
与信審査(加盟店審査)
クレジットカード決済を始めるときに、カード会社や決済代行会社が行う審査です。取り扱う商品やサービス、販売の方法、特定商取引法に基づく表記(返品の条件などを含む)などを見ます。カード会社は、購入者の代金をいったん立て替えてお店に支払うため、取引する相手の信用を確かめます[8]。詳しい基準は公開されておらず、各社が定めています[8]。すてぶるペイは、カード会社の与信審査に頼らない決済です。
決済代行
お店に代わって、カードなどの決済手段をまとめて提供する事業者(決済代行会社)です。お店は、複数のカードブランドを一括で導入でき、契約の窓口や管理も一本にまとめられます[8]。費用の仕組みは会社ごとに違います。比べ方は決済手数料の比べ方を見てください。
チャージバック
カード決済で、購入者がカード会社に異議を申し立て、それが認められると、お店が支払いの取り消しや返金を求められる仕組みです。返金の費用を負担するのは、原則としてお店です[7]。ステーブルコインの送金には、購入者の申し立てで一方的に取り消す、カードのような仕組みはありません。ただし、返金のトラブルがなくなるわけではありません。詳しくはチャージバックとはで解説しています。
消込
入金があったときに、どの注文の代金かを照らし合わせて、注文を支払い済みにする作業です。銀行振込では、振込人名義と注文を見比べる手間が出ることがあります。すてぶるペイは、決済と同時に JPYC で受け取るので、入金の消込は不要です。注文と決済の状態の食い違いを調べる作業は、docs の用語集では「突合」といいます(用語集(docs))。
Webhook
決済の結果など、できごとが起きたときに、サービスからお店のサーバーへ自動で届く通知です。お店は、通知を受け取って注文を支払い済みにします。同じ通知が 2 回以上届くことがあるため、重複を除く工夫が要ります。詳しくはイベントと受信(docs)と冪等性(docs)にあります。
Sandbox
本番とは別に用意した、組み込みの動作を試すための環境です。すてぶるペイの Sandbox は、本番とは別の環境で、JPYC EX の部分がモックに置き換えてあります。使い方はSandbox(docs)にあります。
出典
いずれも 2026年11月5日に内容を確認しました。
- 高松志直「令和4年資金決済法等改正の影響と実務対応のポイント」BUSINESS LAWYERS(2023年6月8日更新)。2026年11月5日確認。
- アンダーソン・毛利・友常法律事務所「ステーブルコイン法制に関する政令・内閣府令案等について(後編)」(2023年3月27日)。2026年11月5日確認。
- JPYC 株式会社「【国内初】日本円ステーブルコイン「JPYC」および発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」(2025年10月24日。ASCII.jp 掲載)。2026年11月5日確認。
- JPYC 株式会社「日本円ステーブルコイン「JPYC」、累計発行額100億円を突破」PR TIMES(2026年9月18日)。2026年11月5日確認。
- 三菱UFJ銀行・みずほ銀行・三井住友銀行・三菱UFJ信託銀行・TISI「複数銀行によるステーブルコイン共同発行およびクロスボーダー決済高度化に関する実証実験を実施」(2026年10月16日)。2026年11月5日確認。
- e-Gov 法令検索「資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)」第2条第2項・第5項・第7項・第10項・第14項、第37条、第62条の3(2026年11月5日時点の現行法)。2026年11月5日確認。
- Square「チャージバックで売り上げをゼロにしないセキュリティー対策」(2025年2月5日に一部更新)。2026年11月5日確認。
- Square「クレジットカード加盟店申請の流れと審査に通らない原因とは?」(2026/8/31 一部更新)。2026年11月5日確認。
- 金融庁「事務局説明資料」デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会(第6回、2022年6月20日)。「電子決済手段等への制度的対応」の頁。2026年11月5日確認。