決済手数料の比べ方:料率だけでなく総コストで比べる

決済手数料は、料率だけで比べず、お店に残るお金で比べます。月額・初期費用、振込手数料、入金までの日数、チャージバックの負担、購入者への上乗せまで足した「総コスト」が、本当の費用です。ここでは、比べる項目と見るポイントを表にまとめます。

更新日: 文:合同会社暗号屋

決済手数料は、料率だけで比べない

決済手数料とは、お客さんの支払いを受け取るために、お店が決済サービスへ払う費用です。料率(何 % か)が目立ちますが、費用はそれだけではありません。

たとえば、料率が低くても月額費用が高ければ、売上が少ない月は割高です。入金が遅ければ、仕入れの支払いに困ることもあります。料率は、比べる項目の一つと考えましょう。

比べる項目と見るポイント

次の表の項目を、候補のサービスごとに調べて並べると、総コストが見えます。

決済手数料を比べる項目
項目 見るポイント 確かめ方
料率 決済額に何%かかるか。カードの種類や通貨換算で変わるか。 公式の料金ページで、標準の料率と加算の条件を読む。
月額・初期費用 売上がなくても払う費用があるか。 月の売上が少ない場合の総額を計算する。
振込手数料 売上を口座に受け取るときの手数料。誰が払うか。 1回あたりの金額と、受け取りの頻度を確かめる。
入金までの日数 売上が決まってから、手元に届くまでの日数。 締め日と支払日を確かめる。資金繰りに響く。
チャージバックの負担 売上が取り消されたとき、誰がいくら負担するか。 取り消し時に手数料が戻るか、別の手数料がかかるかを確かめる。
購入者への上乗せ 購入者に手数料を負担させる形か。 規約で認められているかと、購入者の見え方を確かめる。
そのほかの費用 通貨換算、返金時の費用、円に戻す費用など。 返金や換算が多い事業では、ここが効く。

料率の例:Stripe の場合

料率の例として、Stripe の日本の標準料金を挙げます。カード決済は、成功した決済 1 件ごとに 3.6% です。通貨の換算が要る場合は、2% が加わります。初期費用と月額料金はありません[1]。

これは一つの例です。料率は、事業者、業種、規模、契約で変わります。Square など、ほかのサービスも公式の料金ページで同じ項目を確かめて、並べてみてください。

総コストの見積もり方

  1. 1 か月の売上と、1 件あたりの金額を決めます。
  2. 料率の分を計算します。売上に料率を掛けます。
  3. 月額費用、振込手数料の合計を足します。
  4. チャージバックや返金が起きる見込みの分を、別に見ておきます。
  5. 入金までの日数で、手元の資金が足りるかを確かめます。

売上が少ない場合と多い場合の両方で計算すると、どのサービスが合うかがわかります。

チャージバックの負担も費用になる

チャージバックとは、購入者がカード会社に申し立てて、売上が取り消される仕組みです。取り消された代金は、原則としてお店が負担します[3]。

申し立てごとに手数料がかかるサービスもあります。たとえば Stripe では、申し立て 1 件ごとに 1,500 円です[1]。取り消しの件数が増えたら、費用として見込んでおきましょう。すてぶるペイはカード決済ではないため、カード起因のチャージバックの仕組みそのものがありません。返金は、お店から購入者へ行います。詳しくは チャージバックとはで説明します。

ステーブルコイン決済の費用で見ること

ステーブルコイン決済では、サービスの利用料のほか、ブロックチェーンの送金にかかる費用や、日本円に戻す費用がかかることがあります。日本円と 1:1 で交換できる JPYC の場合は、発行体の窓口「JPYC EX」で日本円に戻せます。JPYC EX で償還(日本円に戻すこと)を予約して JPYC を送ると、登録した口座に日本円で払い戻されます[2]。誰がどの費用を負担するかを、先に確かめましょう。仕組みは ステーブルコイン決済とは、導入の流れは JPYC 決済をお店に導入するにはにまとめています。

すてぶるペイの場合

すてぶるペイは、円で払い、ステーブルコイン(JPYC)で受け取る決済です。開発中で、提供開始日は未定です(2026年11月時点)。

  • 手数料は検討中です。全加盟店一律の固定料率を予定しています。
  • 購入者への上乗せはありません。
  • 売上は、決済と同時に JPYC で受け取ります。手数料は、同じ取引の中で差し引かれます。
  • 日本円への引き出しは、お店ご自身の JPYC EX アカウントで行います。
  • 返金しても、決済手数料は戻りません。
  • 提供元の暗号屋は、購入者やお店の資金・秘密鍵を保持しません(ノンカストディアル)。
  • 利用には、利用規約への同意と、法令上の要件を満たすことが前提です。

お金の流れは お金の流れ、返金は 返金の提供範囲で読めます。

よくある質問

決済手数料の相場はいくらですか?

事業者、業種、取引の規模、契約によって違うため、一つの相場は言えません。料率の例として、Stripe の日本の標準料金は、カード決済 1 件ごとに 3.6% です。見積もりは、公式の料金ページか問い合わせで確かめましょう。

料率が低いサービスを選べばいいですか?

料率だけでは決められません。月額費用、振込手数料、入金までの日数、チャージバックの負担も合わせた総コストで比べましょう。売上が少ないうちは、月額費用の影響が大きくなります。

購入者に手数料を上乗せしてもいいですか?

上乗せできるかは、契約する決済サービスやカード会社の規約で決まります。上乗せすると、購入者が高く感じて離れることもあります。契約前に規約を読んで確かめてください。すてぶるペイでは、購入者への上乗せはありません。

ステーブルコイン決済に手数料はかかりますか?

サービスによって違います。サービスの利用料のほか、ブロックチェーンの送金にかかる費用や、日本円に戻す費用がかかることがあります。誰が負担するかも確かめましょう。

すてぶるペイの手数料はいくらですか?

検討中です。全加盟店一律の固定料率を予定しています。購入者への上乗せはありません。提供開始日は未定です。

出典

いずれも 2026年11月5日に内容を確認しました。

  1. Stripe「料金体系」。2026年11月5日確認。
  2. JPYC 株式会社「【国内初】日本円ステーブルコイン「JPYC」および発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」(2025年10月24日。ASCII.jp 掲載)。2026年11月5日確認。
  3. Square「チャージバックで売り上げをゼロにしないセキュリティー対策」(2025年2月4日公開)。2026年11月5日確認。