JPYC 決済をお店に導入するには?受け取り方・流れ・手数料の考え方

JPYC 決済をお店に導入するとは、日本円ステーブルコインの JPYC で、お店が代金を受け取れるようにすることです。受け取り方は、自分でウォレットを用意して受ける方法と、決済サービスを使う方法の 2 つ。受け取った JPYC は、JPYC EX で日本円に戻せます。

更新日: 文:合同会社暗号屋

JPYC とは

JPYC は、日本円と 1:1 で交換できる、日本円のステーブルコイン(価値が安定するように作られたデジタルのお金)です。発行するのは JPYC 株式会社で、2025年8月18日に資金移動業者として登録されました(関東財務局長 第00099号)[3]。

JPYC 株式会社は、JPYC を資金決済法の「電子決済手段」として発行しています[3][6]。法律では、暗号資産の定義から電子決済手段が除かれていて、ビットコインなどの暗号資産とは別の区分です[1][2]。2025年10月27日に発行が始まり、発行残高の 100% 以上を預貯金と国債で保全するとされています[3]。累計発行額は、2026年9月18日時点で100億円を超えたと発表されました[4]。

日本円との交換は、公式の窓口「JPYC EX」で行います。利用には本人確認が必要です。個人はマイナンバーカードで行い、法人もアカウントを作れます[6]。JPYC EX は、Ethereum、Polygon、Avalanche、Kaia の 4 つのブロックチェーンに対応しています[4][6]。ブロックチェーンとは、取引の記録を多くのコンピューターで共有する仕組みです。

JPYC 株式会社は、JPYC は特定の加盟店契約や利用契約を必要とせず、事業者が自由に組み込んで使えるものだと発表しています[3]。ただし、日本円に戻すには JPYC EX のアカウントが要ります。

お店が JPYC で受け取る 2 つの方法

JPYC の受け取り方の違い
項目自分で受ける決済サービスを使う
やること ウォレットを用意し、受け取り用のアドレスを購入者に伝える サービスの申し込みと、サイトへの組み込み
注文との結びつけ お店が、送金と注文を自分で突き合わせる サービスが決済ごとに状態を管理し、結果を知らせる
購入者の手間 JPYC を持ち、送金の操作を自分でする サービスの設計による
費用 ブロックチェーンの送金の費用など 上に加えて、サービスの利用料

小さく試すなら、自分で受ける方法でも始められます。注文が増えると、送金と注文の突き合わせが手作業では大変になります。

導入の流れ

  1. 受け取り方を決めます。自分で受けるか、決済サービスを使うか。
  2. JPYC EX のアカウントを作り、本人確認をします。日本円に戻すときに使います。
  3. 決済サービスを使うなら、規約と審査を確かめて申し込みます。
  4. サイトに組み込み、テスト環境で試します。
  5. 返金のルールを決めて、購入者に先に案内します。
  6. 少額の注文で、受け取りから日本円への換金まで一度通します。

JPYC 決済の手数料の考え方

JPYC 決済でお店にかかる費用は、主に 2 つです。決済サービスを使うならその利用料と、ガス代(ブロックチェーンで送金するときの費用)です。誰が負担するかも確かめましょう。

JPYC 株式会社の公式サイトの「よくある質問」では、JPYC EX での JPYC の発行と償還(日本円への払い戻し)は手数料無料とされています。ただし、入金のときの振込手数料やガス代などは利用者の負担です。発行・償還は 3,000円から使えます(2026年11月5日確認)[6]。

比べる目安として、カード決済の例を挙げます。Stripe の日本の標準の料金体系では、カードでの決済が成功するごとに 3.6% です(通貨の換算が要る場合は 2% を加算)[5]。取引額が多い場合などには、個別の料金体系も用意されています[5]。

ネットショップ(EC サイト)に JPYC 決済を組み込むには

決済サービスを使うと、サイトでやることは少なくなります。すてぶるペイの場合は、決済ボタンを置く、お支払いの画面へ案内する、結果を受け取る、の 3 つです。

最小の手順は Quick Start にあります。準備は導入前の準備、お金の流れはお金の流れ、試す環境は Sandbox を見てください。

受け取った後:日本円への換金と会計

  • 日本円にする。JPYC EX で払い戻しを予約し、指定のアドレスへ JPYC を送ると、登録した出金口座に日本円が払い戻されます[3]。払い戻しは 3,000 円からで、手数料は無料とされています[6]。すてぶるペイでは、お店ご自身の JPYC EX アカウントで行います。
  • そのまま持つ。JPYC のまま持つこともできます。管理は自分で行います。
  • 会計・税務。処理は取引の内容や会計方針で変わります。税理士などの専門家に確かめてください。

すてぶるペイの場合

すてぶるペイは、購入者が日本円で払い、お店が JPYC で受け取る決済です。開発中で、提供開始日は未定です(2026年11月時点)。

  • 提供元の暗号屋は、購入者やお店の資金・秘密鍵を預かりません(ノンカストディアル)。
  • 受け取り用のウォレットは、お店ごとに 1 つ、最初の決済のときに作られます。お店のパスキー(顔や指紋で使う鍵)にひも付いていて、すてぶるペイが単独で動かすことはできません(お金の流れ)。
  • 手数料は検討中です。全加盟店一律の固定料率を予定しています。購入者への上乗せはありません。
  • 利用には、利用規約への同意と、法令上の要件を満たすことが前提です。

仕組みの全体は ステーブルコイン決済とは で説明しています。

よくある質問

JPYC を受け取るのに、ウォレットは必要ですか?

自分で受ける方法では必要です。ウォレットとは、ブロックチェーン上でお金を受け取り、送るための口座のようなものです。決済サービスを使う場合は、サービスによって違います。すてぶるペイでは、受け取り用のウォレットがお店ごとに 1 つ、最初の決済のときに作られます。

JPYC で受け取るのに、特別な契約は要りますか?

JPYC 株式会社は、JPYC は特定の加盟店契約や利用契約を必要とせず、事業者が自由に組み込んで使えるものだと発表しています。ただし、日本円に戻すには JPYC EX のアカウントと本人確認が要ります。決済サービスを使う場合は、そのサービスの規約もあります。

受け取った JPYC は日本円にできますか?

できます。JPYC EX で払い戻しを予約し、指定のアドレスへ JPYC を送ると、登録した出金口座に日本円で払い戻されます。JPYC EX の利用には本人確認が必要です。JPYC EX の公式サイトでは、払い戻しは 3,000 円からで、手数料は無料とされています。送るときのガス代(ブロックチェーンの送金の費用)は利用者の負担です。

JPYC 決済の手数料はいくらですか?

使う方法とサービスによって変わります。決済サービスの利用料や、ガス代(ブロックチェーンの送金の費用)がかかる場合があります。JPYC EX での発行と払い戻しは、公式サイトで手数料無料とされています。すてぶるペイの手数料は検討中で、全加盟店一律の固定料率を予定しています。購入者への上乗せはありません。

ネットショップに組み込むには何をしますか?

すてぶるペイの場合は、決済ボタンを置く、お支払いの画面へ案内する、結果を受け取る、の 3 つです。手順は Quick Start にあります。提供開始日は未定ですが、Sandbox で組み込みを試せます。

会計や税金はどうなりますか?

受け取った JPYC の会計処理や税務は、取引の内容や会計方針で変わります。この解説では判断できません。税理士などの専門家に確かめてください。

出典

いずれも 2026年11月5日に内容を確認しました。

  1. e-Gov 法令検索「資金決済に関する法律」(平成21年法律第59号)第2条第5項・第14項。2026年11月5日確認。
  2. 高松志直「令和4年資金決済法等改正の影響と実務対応のポイント」BUSINESS LAWYERS(2023年6月8日更新)。2026年11月5日確認。
  3. JPYC 株式会社「【国内初】日本円ステーブルコイン「JPYC」および発行・償還プラットフォーム「JPYC EX」を正式リリース」(2025年10月24日。ASCII.jp 掲載)。2026年11月5日確認。
  4. JPYC 株式会社「日本円ステーブルコイン「JPYC」、累計発行額100億円を突破」PR TIMES(2026年9月18日)。2026年11月5日確認。
  5. Stripe「料金体系」。2026年11月5日確認。
  6. JPYC 株式会社「JPYC EX」公式サイト(よくある質問、法人アカウント開設の案内)。2026年11月5日確認。